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黒田泰蔵、ピエロ・マンゾーニ、エンリコ・カステラーニによる企画展「nullus」を7月27日(月)より開催

銀座 蔦屋書店内ギャラリー(GINZA SIX 6F)THE CLUB は黒田泰蔵、ピエロ・マンゾーニ、エンリコ・カステラーニによる企画展を開催します。

本展覧会では、「白(非色)」が秘める無限の可能性を、3人のアーティストによる作品を通して探ります。日本を代表する陶芸家、黒田泰蔵は陶芸の枠を超えて、磁器をコンセプチュアルアートへと昇華しました。一方、ヨーロッパを代表するコンセプチュアルアーティスト、ピエロ・マンゾーニは本来陶磁器に用いられる中国粘土をキャンバスに用いることで、芸術作品としての新たな手法を見出しました。そして、エンリコ・カステラーニはマンゾーニの白に魅せられ、「光の絵画」を生み出し、二人はタッグを組んで前衛美術誌を創刊します。本展では、この3人のアーティストが独自の方法で、従来の伝統を超えた抽象世界への旅に注目します。

黒田においては、シリンダーや花瓶、大皿など日常的なオブジェが抽象的な視点へと転換されます。マンゾーニは粘土を使って絵を描いた“アクローム(非色)”のシリーズで、絵画の解放を試みます。そこからさらに作家の手の介入を排し、白いキャンバスに立体性を持たせることで光の陰影を作品にしたカステラーニ。

様々な形で転生する白。この全ての介入を排除する力を持った、一つの中立色によって紡がれる、西洋と東洋、3人のアーティストによる究極的な「白の世界」をお楽しみください。

 

アーティストプロフィール

黒田泰蔵
(1946年-) 滋賀県
日本の現代工芸において最も重要なアーティストうちの一人。1970年代にカナダで修業を始め、1981年に日本に帰国し、後に人間国宝となった陶芸の巨匠である島岡達三に師事。黒田は奇抜な形や装飾的なデザインよりも、李朝の白磁の美しさに魅了され、1992年頃より、高火度で釉薬を使わない“焼き締め”の白磁の制作を始めた。純白磁器土は、手で扱い、ろくろで引き上げることが難しいことで知られている。さらに、最もシンプルな形をつくることは、最も難しい。ここ20年間、黒田は白磁を生み出すことに身を捧げ、彼の精神的な制作の過程を日本だけにとどまらず、ニューヨーク、バーゼル、そして韓国において発表。彼の作品は多くのアーティストや美術評論家、コレクターの注目を浴び続けている。

ピエロ・マンゾーニ
(1933年-1963年) イタリア
20世紀を代表するイタリアの美術家。独学でアートを学び、1957年に多様な素材を用いて「アクローム(Achrome)」(非色)と題した白一色の絵画作品の連作を発表。これは、白い画面がそれ以上の意味や価値を持たないただの「白」であり、それによりあらゆる物質的限定から解放された全てになり得ることを主張するもの。1961年には「芸術家の糞(Artist’s Shit)」と題し、缶詰に30gの自身の排せつ物を詰めたものを30gの金の相場価格で販売し、反芸術的活動も行った。国際的に活動したグループ・ゼロにも関わったことでも知られる。

エンリコ・カステラーニ
(1930年-2017年) イタリア
ベルギーの王立芸術アカデミーで彫刻、絵画、建築を学び帰国。帰国後は、制作する傍らピエロ・マンゾーニらのアーティストと前衛芸術誌「アジムート」(Azimuth)を創刊し、ギャラリー(Azimut)を立ち上げ、グループ・ゼロやイヴ・クライン、ロバート・ラウシェンバーグらを紹介。絵画から他の要素を取り除き「表面」の表現を突き詰めるため、1959年に木枠に釘を打ち込むことでキャンバスの画面を波立たせて模様を構成する「レリーフ状の黒い表面」を発表し、のちに「光の絵画」と称される。1964年に初のヴェネツィア・ビエンナーレに出品し、その後日本でも現在までたびたび個展を開催。2012年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。ルーチョ・フォンタナを敬愛し、また自身もドナルド・ジャッドをはじめ数多くのアーティストに多大な影響を与え、美術史を紐解くうえで欠かせない人物。

 

<イベント詳細>

nullus

[アーティスト名]
黒田泰蔵、ピエロ・マンゾーニ、エンリコ・カステラーニ

[会期]
2020年7月27日(月)〜8月14日(金)
※ピエロ・マンゾーニ作品は、7月30日までの展示予定

[時間]
平日 12時〜19時
(土日祝日は休廊しております。)

[場所]
GINZA SIX 6F THE CLUB
(銀座 蔦屋書店内)

[費用]
無料

[予約方法]
お名前とご希望の時間帯を記載の上、前日の18時までに info@theclub.tokyo 宛にメール送付

[お問い合わせ]
info@theclub.tokyo

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THE CLUB

丁寧なキュレーションのもと、日本ではまだ目にする機会が少ないコンテンポラリーアーティストを中心に、時代や分野を超えた展示を行って参ります。

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