第9回TAMA映画賞授賞式、土屋太鳳こみ上げる想いに涙ぐむ場面も

11月18日、第9回TAMA映画賞授賞式がパルテノン多摩 大ホールで開催され、受賞者から黒沢清監督、石井裕也監督、湯浅政明監督、相澤虎之助、川瀬陽太、池松壮亮、満島ひかり、長澤まさみ、菊地健雄監督、瀬田なつき監督、間宮祥太朗、高杉真宙、石橋静河、土屋太鳳が出席した。

『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

 

最優秀新進女優賞を受賞した土屋太鳳はこみ上げる想いに涙ぐみ言葉が詰まる場面も「どんな役でも演じきれる女優になりたいなと思っています。人としての野性を感じられる演技を目指したいと思います。」今後の意気込みを語った。

土屋太鳳『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

土屋と最優秀新進男優賞を受賞した高杉真宙と間宮祥太朗は『トリガール!』で共演。
現場では下の名前で呼び合う仲だった話を振られると、土屋は「そうですね、坂場先輩とは掛け合いが凄かったので、どうやって呼んだらいいですか?と言ったら」、間宮「『太鳳』って呼ばせていただきました」「坂場とゆきなの関係性もありますので、下の名前で呼んでくれということと、敬語を止めようということを言わせていただいて、『祥太朗』と呼んでもらったんですけど、それが公開でエピソードを話しているうちに色々ニュースで取り上げていただいて土屋太鳳さんに下の名前で呼ばせることがこんなに問題になるとは思っていませんでした」と反響の大きさに驚いた過去を打ち明けると会場の笑いを誘った。

間宮祥太朗、土屋太鳳、高杉真宙『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now
(左から)間宮祥太朗、土屋太鳳、高杉真宙

 

最優秀女優賞を受賞した長澤まさみは「アットホームで温かな気持ちになる映画祭は初めてな気がします。この賞をいただけたことでこれからまた自分の励みになり、お芝居を頑張っていきたいなという思う気持ちがまた強くなりました」とコメント。「今までの積み重ねがこの先にいきていけば、良いなと思っている。観てくださるお客様が楽しんで、これを観たことが価値のあるものだと思ってもらえるような作品作りを自分自身はしていけるよう努力していかなければいけない」と今後の目標を語る。

長澤まさみ『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

 

同じく最優秀女優賞を受賞した満島ひかりは「第1回TAMA映画賞 最優秀新進女優賞」を受賞している。「(9回目にもなると)色々なことがスムーズで楽屋においてあったマカロンとかにもTAMA映画賞のマークがあったり、ちょっと余裕があるなぁー」の発言には観客から笑いが起こった。
奄美大島での撮影について「喋り言葉が自分が生まれ育った沖縄と近かったので、東京弁よりも馴染みがある言葉で、島の言葉を使って撮影することでもうちょっと自分の心に近づいた言葉がはけたりとか、そういうのは、あったなぁーと。育ってきた場所なので、撮影に出発しようとホテルの下に降りるとおばあちゃんや弟が座っていて『一杯コーヒーでも飲んでから撮影に行けばいいじゃないか』とちょっとめんどくさいなぁと思いながら(笑)」と地元ならではのエピソードを披露した。

満島ひかり『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

 

最優秀男優賞を受賞した池松壮亮は「自分にはこの賞が恐れ多くて坊主にしてきました」と会場を沸かせた。「日本映画が苦しくなっているのは、誰の目にも明らかで、こんなご時世に映画演っていていいのかなと思うときも、正直、悲観的な人間であるんですけど・・・人の心に届かない映画を何本も作っていても同じなので一本一本こだわって諦めずにやっていきたいと思っています」と想いを言葉にする。

池松壮亮『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

 

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で最優秀作品賞を受賞した石井裕也監督は「感覚的に自由に作ったこのを評価していただいてとても嬉しく思いますし、また励みになります。全スタッフ、キャスト、関係者を代表してお礼を申し上げます」と感謝の気持ちを述べた。

石井裕也監督『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

W主演の池松には「僕にとって特別な存在で、人生をかけた大勝負をしようと思った時には彼に居て欲しい存在」、最優秀新進男優賞を受賞した石橋静河には「新人ということで賞をいただけて、僕としてもすごくうれしく思っています。これからがすごく大変だなと、求められることがどんどん変わっていくと思う。頑張ってほしいな」と激励のメッセージを送った。
最後に「(授賞式後に上演される作品について)授賞式を見て帰られちゃう方もかなりいらっしゃるんじゃないかと・・・できれば一生懸命作ったので観ていただきたいですし、心のきれいな人なら楽しめるんじゃないかな」と笑って答えた。

池松壮亮、石橋静河『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now
(左から)池松壮亮、石橋静河

 

『散歩する侵略者』で最優秀作品賞を受賞した黒沢清監督は「ずいぶん映画を撮り始めて長いので、これまで幾つかの映画祭で賞をいただいております。ただ、ほとんどが監督賞、審査員特別賞とかで、今回やっと最優秀作品賞をもらいました。一等賞です。こんなに嬉しいことはありません。この日を夢見ていました。ずっと映画を撮り続けているとこんな幸せな日が来るんだということを知りました。本当にありがとうございました」と喜びを口にした。

同作品に出演した長澤には「のらりくらりしている。カメラが回ると凄い力を発揮するんですけど、回ってないときには煮え切らない感じが、それが彼女の個性なんですよ」と独特な言い回しで褒めた。
高杉には「本当に真面目、努力家というか熱心で・・・チャラいの真逆。見た目が美しいので色んな役が回ってくると思う。芯がほんとうにしっかりとした真面目な青年。ですよね」と印象を語っている。

最後に「日本映画ではなかなか成立しづらいような企画に全ての力を注いでくれた俳優、スタッフ、皆様に感謝します。この映画を実現できただけで、ぼくは幸せでした。それを最優秀作品に選んでいただいたTAMA映画祭に最大の感謝を捧げたいと思います」と締めくくった。

黒沢清監督『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now

 

最優秀新進監督賞には『PARKS パークス』の瀬田なつき監督と『ハローグッバイ』『望郷』の菊地健雄監督が受賞した。映画美学校の同級生という二人はこれまでに様々な作品で関わっており、今年もネット配信ドラマの『東京アリス』を一緒に制作している。
お互いの作品について聞かれると、まず『PARKS パークス』と『ハローグッバイ』の「メインスタッフはほとんど一緒のチーム」だと明かしている。瀬田監督は「テーマが似ているのにアプローチが全然違っていて、両方観るとすごく良いんじゃないかなぁって」、菊地監督は「それぞれやりたいことや持ち味が違うというところで、同じスタッフでやっているのにこうも作品が出来上がると違うものかと」と語っている。

菊地健雄監督、瀬田なつき監督『第9回TAMA映画賞授賞式』 ©Tokyo Now
(左から)菊地健雄監督、瀬田なつき監督

 

第27回映画祭TAMA CINEMA FORUMは、11月18日(土)~11月25日(日)まで間、多摩市内の3会場で開催される。

公式サイト:http://www.tamaeiga.org/2017/


第9回TAMA映画賞

最優秀作品賞

  • 『散歩する侵略者』
    黒沢清監督、及びスタッフ・キャスト一同
  • 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
    石井裕也監督、及びスタッフ・キャスト一同

特別賞

  • 湯浅政明監督、及びスタッフ・キャスト一同
    『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』
  • 富田克也監督、及びスタッフ・キャスト一同
    『バンコクナイツ』

最優秀男優賞

  • 浅野忠信
    『幼な子われらに生まれ』『沈黙 -サイレンス-』『淵に立つ』『新宿スワンⅡ』
  • 池松壮亮
    『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『新宿スワンⅡ』『デスノート Light up the NEW world』『永い言い訳』

最優秀女優賞

  • 満島ひかり
    『海辺の生と死』『愚行録』
  • 長澤まさみ
    『散歩する侵略者』『銀魂』『追憶』『金メダル男』

最優秀新進監督賞

  • 菊地健雄
    『ハローグッバイ』『望郷』
  • 瀬田なつき
    『PARKS パークス』

最優秀新進男優賞

  • 間宮祥太朗
    『トリガール!』『帝一の國』『劇場版 お前はまだグンマを知らない』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』
  • 高杉真宙
    『逆光の頃』『散歩する侵略者』『トリガール!』『想影』『ReLIFE リライフ』『PとJK』

最優秀新進女優賞

  • 石橋静河
    『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKS パークス』『密使と番人』
  • 土屋太鳳
    『トリガール!』『PとJK』『兄に愛されすぎて困ってます』『金メダル男』

TAMA映画賞

明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰します。

選考対象
2016年10月から2017年9月に一般劇場で公開された作品及び監督・キャスト・スタッフ

選考方法
TAMA映画フォーラム実行委員(市民ボランティア)の合議により選考

Tokyo Now Author