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映画「かぞくへ」の春本雄二郎監督 第2作「由宇子の天秤」が釜山国際映画祭・新人監督コンペティション部門に選出!!

10月21日〜10月30日の間、韓国・釜山で開催される第25回釜山国際映画祭のニューカレンツ部門に、映画「かぞくへ」の春本雄二郎監督の最新作「由宇子の天秤」(英題:A Balance)が選出されました。

©2020 映画工房春組

釜山国際映画祭は、今年で25周年を迎える世界が最も注目するアジア最大級の映画祭。ニューカレンツ部門は「新しい流れ」という名の通り、長編2作目までの新人監督が賞を競い合うコンペティション部門。現在、日本でヒットしている韓国映画「はちどり」のキム・ボラをはじめ、多くの若き才能を発掘しています。

映画「かぞくへ」で日本の若者の息づかいをリアルにすくい取り、東京国際映画祭をはじめ国内外の映画祭で絶賛された春本雄二郎は、今作でも、現代の日本に生きる私たちにいつでも降りかかり得る困難を、リアリティ溢れるスリリングなオリジナルシナリオとして書き上げ、昨年末に高崎フィルム・コミッションの全面協力のもと、殆どのシーンを高崎で撮影。2021年に公開を予定しています。

©2020 映画工房春組

今作の主人公の由宇子を演じるのは「火口のふたり」で2019年のキネマ旬報主演女優賞を受賞した瀧内公美。それに加えて新たに今や日本映画界には欠かせない存在である光石研の出演も明らかになりました。商業大作映画へ出演する一方で、作家性の強い監督やインディペンデント作品へも意欲的に出演してきた名優が今回演じるのは、由宇子の実の父親・政志。真面目で周りからの信頼も厚い人柄でありながら、一方で人としての弱さも隠し持ち、その狭間で苦悩する難しい役どころ。

また、春本作品には欠かせない梅田誠弘(「かぞくへ」)、期待の新人・河合優実(「喜劇 愛妻物語」)、そして、松浦祐也(「岬の兄妹」)、和田光沙(「岬の兄妹」)、池田良(「恋人たち」)、川瀬陽太(「バンコクナイツ」)らインディペンデントから飛び出した叩き上げの実力派俳優陣が勢揃いし、韓国・釜山へ乗り込む!

©2020 映画工房春組

脚本・監督・プロデューサー/春本雄二郎 コメント
数年前の実際に起こった衝撃的な出来事から、この映画の着想を得ました。
メディアが誤った情報を報道し、事件の当事者ではない人たちが、ネット上で自分たちのインスタントな“正義”を無邪気に振りかざし、無実の人間の日常を一瞬にして破壊したのです。驚いたことに、その人たちの中には、攻撃した相手と好意的な交流があった人もいました。
そこで私は、自分の正しさを信じて疑わない人が、反対に、追い詰められた先に見せる姿を捉えたいと思いました。
急速な社会の情報化が、私たちから奪ったものは何なのか。いつから人々は身を守るために『より大胆』に、もしくは『より巧妙』に嘘をつくようになったのか。
一作目の「かぞくへ」企画以前からできていた脚本が、ようやく映画化し、釜山国際映画祭という世界が注目する素晴らしい舞台で初公開できることを嬉しく思います。ご協力いただいた多くの皆様に深く感謝いたします。
この映画が多くの人に届き、私たちの豊かな未来の一助となることを願っています。

[ストーリー]
ドキュメンタリーディレクターの由宇子は、今、世に問うべき問題に光を当てることに作家としての信念を持ち、そのためには妥協を許さず、保守的な製作サイドと衝突することも厭わない。
一方で、唯一の家族である実父の政志が経営する塾を手伝い、慎ましくも幸せに二人三脚で生きてきた。
けれども、ある日、由宇子が思いもかけない政志のある行動によって、由宇子の信念を激しく揺さぶる事件が起きる…。
“正しさ”とは何なのか、物事を善と悪に二極化しがちなこの時代に一石を投じる、葛藤しながらも答えをみつけ出そうともがく人間の姿を硬質な視点で切り取る人間ドラマ。

[スタッフ]
脚本・監督・編集:春本雄二郎
プロデューサー:春本雄二郎・松島哲也・片渕須直
ラインプロデューサー:深澤知
キャスティング:藤村駿
撮影:野口健司
照明:根本伸一
録音・整音:小黒健太郎
音響効果:松浦大樹
美術:相馬直樹
装飾:中島明日香
小道具:福田弥生
衣裳:星野和美
ヘアメイク:原田ゆかり
医療監修:林恭弘
ドキュメンタリー監修:鎌田恭彦・清水哲也
メイキング:荒谷穂波
英語字幕:ドン・ブラウン 櫻井智子

[キャスト]
瀧内公美/河合優実/梅田誠弘/
松浦祐也/和田光沙/池田良/木村知貴/
前原滉/永瀬未留/河野宏紀/根矢涼香/
川瀬陽太/丘みつ子/光石研 ほか