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映画『中村屋酒店の兄弟』先行公開初日舞台挨拶に藤原季節・長尾卓磨・白磯大知監督が登壇!

3月4日(金)、渋谷・シネクイントにて映画『中村屋酒店の兄弟』の先行公開初日を記念して舞台挨拶が行われ、藤原季節、長尾卓磨、白磯大知監督が登壇しました。

映画『中村屋酒店の兄弟』先行公開初日舞台挨拶
(左から)白磯大知監督、藤原季節、長尾卓磨

本作は、俳優としても活動している白磯監督が、役者業の傍ら独学で脚本を書き始めて初監督した作品で、徐々に数を減らしている現代の町の酒屋にスポットを当て、兄弟を通じ家族の距離を描いたヒューマンドラマだ。

まずはそれぞれの一言挨拶から舞台挨拶はスタート。白磯監督は「3年前くらいの作品になるのですが、今ここで上映が出来て、そして全国へ走り出すはじまりを迎えられてすごく光栄です。何かこの映画で感じ取っていただけるものがあると幸いです」と挨拶する。そして弟の和馬を演じる藤原も「こんなかっこいい服を着て人前に立たせていただいているんですけど、撮影中はほとんど私服で。髪の毛とかも自分たちでセットして作った小さな小さな映画が上映されるという奇跡。本当に本当に最高です」と公開の喜びを語った。

MCが、3年経っての劇場公開について白磯監督に聞くと、「映画はどう作られているんだろうというところを知るところから始まった。そうやってスタートしたものが、いろんな人たちのおかげてこうやって上映できるというのが不思議。僕は何度もこの感覚に立ち返らなければいけない」と、改めて作品の歩みを振り返る。

続いて、オファーを受けた時のことを藤原に聞くと「最初はメールでオファーいただいて1度お断りして。その後渋谷のカフェで対面して、やっぱりやらせてくださいとなったんです」と、オファーの経緯を語る。なぜ断ったのかと尋ねると、「最近対面が減って、メールやSNSのダイレクトメールでオファーいただくことが増えて。だけど今思い返すと、白磯監督や、同じ劇場(シネクイント)で公開した『佐々木、イン、マイマイン』でも細川岳から対面で話をもらっていて。対面の記憶ってなくならないなって思ったんです。直接印刷した紙を人に手渡しするって大事なんだなって」と、対面で話すことの大切さを伝えた。

撮影のときから「三兄弟」のようだったという話題から、兄の弘文を演じた長尾のあたたかい立ち振る舞いの話に。白磯監督と藤原が「現場はめっちゃキリキリしていたのに、長尾さんはのほほんとしてました」と伝えると、長尾は「お酒の力だと思います(笑)」とユーモアを交えて返し、「(撮影では)実際の酒屋さんを使わせていただいたんですけど、お酒に囲まれていると、和やかになるんです」と、撮影現場となった酒屋への想いを述べた。

引き続き撮影現場での思い出を尋ねると、藤原が撮影中に酒屋さんのご主人と奥さんと話しているときに、「お店畳もうと思っている」という衝撃の事実を知ったことを話す。そして長尾が「映画のオファーを引き受けたのも、少しでもこの酒屋の姿が残るといいねって思ったというお話もあるんです」と続けた。

最後に一言ずつ挨拶をする時間になると、まず長尾から、「満席のみなさんのお顔を見ていたら泣きそうで。みなさんにしかない個人的な思い出がふとよみがえる瞬間がこの映画のなかにありましたら幸いです」と劇場公開を迎えた歩みを振り返りながら感慨深く話す。

藤原が続き、「僕が今まで映画館という場所で、自分から離れた出来事とか、人の気持ちとかを想像したりして。戦争のこととか、恋愛のこととか、震災のこととか、LGBTQのこと、いじめ、虐待、いろんなことを映画館という場所でなんとか自分に近付けて観てきたんです」と語り、「この作品は家族の映画なので、自分の傍にこの物語を引き寄せて、楽しんでもらえたらと思います。もっとたくさん今を切り取る映画が誕生することを願っています」と映画への想いを述べた。

最後に白磯監督は「この映画はラジオドラマからスタートします。いろんな想像を巡らせていただいてから本編に入るという上映の形をとらせて頂いています。新しい体験として楽しんでいただけたらと思います」と、本作ならではの上映形態(ラジオドラマの後に本編上映)についての想いを述べ、映画『中村屋酒店の兄弟』の先行公開初日舞台挨拶はあたたかく幕を閉じた。

 

STORY

数年前家を出て一人東京で暮らす和馬(藤原季節)は、親が経営していた酒屋を継いだ兄、弘文(長尾卓磨)の元へ帰ってくる。
年齢を重ね、変わってしまった母の姿に戸惑いながらも、その時を受け入れ過ごしていく和馬。相手を思うほど、和馬、弘文は少しづつズレていったお互いの距離を感じていた。
和馬の抱える秘密を知る弘文、それを知る和馬。お互いが前に進むためとった選択には、純粋に相手を思う辛さと難しさがあった。そして、2人は朝を迎える。


 

映画『中村屋酒店の兄弟』

2022年3月4日(金)より渋谷シネクイントにてレイトショー先行公開
3月18日(金)より全国順次公開

キャスト:藤原季節 長尾卓磨 藤城長子 橘 美緒 千葉 龍都 新井 秀吾 高橋 良浩 中村元江 磯崎信浩 磯崎教子

監督・脚本:白磯大知
撮影:光岡兵庫
撮影助手:山田弘樹
録音:小笹竜馬
照明:岩渕隆斗、小松慎吉
照明助手:森本悠太、斎藤愛斗
制作:徳平弘一、長野隆太、光岡兵庫、樋井明日香、白磯大知
編集:キルゾ伊東、白磯大知
音楽:総理(響心soundorchestra)「とある兄弟」
ロケ地協力:中村屋酒店、清水宅

公式サイト:https://nakamurayasaketennokyoudai.com/
公式Twitter:@nakamurakyoudai

2019年|カラー|45分|©『中村屋酒店の兄弟』