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写真家・上田義彦氏の写真展「椿の庭」が映画公開と同日より開催決定!!

紫綬褒章、旭日小綬章受賞の日本を代表する女優富司純子と第43回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した、今活躍が目覚ましいシム・ウンギョンがW主演を務める、サントリー、資生堂、TOYOTAなど数多くの広告写真を手掛ける写真界の巨匠・上田義彦初監督作『椿の庭』が4月9日(金)にシネスイッチ銀座ほか全国順次公開となります。

数多くの広告写真を手掛け、その卓越した美学により国内外で高い評価を得ている写真家・上田義彦氏が初の監督作品である本作公開に合わせ、映画の公開と同日に写真展を開催。展示作品は、写真集の中から厳選した写真に加え、木製大判カメラの最高峰・ディアドルフのカメラで特別に撮り下ろした作品を発表します。

 

開催概要

写真展「椿の庭」

[場所]
エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
(東京都千代田区丸の内 3-4-1 新国際ビル 1F)

[会期]
2021年4月9日(金)〜5月12日(水) 11:00〜17:00
※休館:日曜日
※会期中の祝日、4月29日(木)、5月3日(月)、5月4日(火)、5月5日(水)は開館しています。
※状況により会期・開催時間を変更する場合があります。ご了承ください。

[内容]
エプサイトギャラリーの写真展「椿の庭」では、本映画で撮影されたフィルムから、上田氏にとって大切な、思い出深いシー ンをセレクト。展示作品は、エプソン製大判インクジェットプリンタ―SureColor「SC-P2005PS」で制作。映画『椿の庭』 の世界を、陰影豊かな写真作品で表します。上田義彦氏が紡ぐもう一つの「椿の庭」の世界を、エプサイトギャラリーでお 楽しみください。

[詳細]
https://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/exhibitions/2021/0409/

 

「椿の庭」写真展に寄せて

家には、そこに住んでいた人々の記憶が、ありとあらゆる場所や物に宿っていて、そこに佇めば、長いあいだすっかり忘れてしまっていた、とても些細な、意味ももたない様な自分だけの小さな記憶が、突然鮮明に浮かび上がってきたりすることがあります。家には、そこに住んでいた家族の記憶が宿っている。そして、そんな家がある日取り壊されてしまったとしたら。そこに宿っていたはずの家族のそれぞれの記憶は、壊されてゆく家とともに、残酷に消えてゆき、そしてもう誰にもその記憶を思い出すことは出来なくなってしまうのです。

家というものは、住むということだけではなく、そこに住んでいた人々の記憶を宿す装置なのだということを描きたかった。そしてこの映画にはもう一つ、日本人の日々の生活の中に自然にあったはずの美意識、そこから表れてくる人々の所作や居住まい、佇まいといったことも、風土に根ざして創られた日本の家の構造がもたらしたものであり、日本人の根底にある独特の佇まいは、そこから来たものも少なからずあると思います。

風土に根ざして創られ、育まれてきた昔の日本の家の佇まいと、そこに暮らす人々の、世界に対する対而の仕方や態度を表す居住まいや所作を通して、やはり日本という国は美しい、ということ、そしてそこに日々暮らす人々の暮らしが美しいということを描きたかった。そして、そんな家が、現在の我々日本人の暮らしぶりからは、ただ古くさく、薄暗い、ということや、当然他にも相続税の問題や家を継ぐ人がいないという問題など、理由は複雑であるということは承知ながら、日々どこかで美しい日本の家が壊されているのだということも想像して欲しかった。

この映画を見たことで、そんな家が一軒でも壊されることをまぬがれる事が出来たら、美しい日本の風景を永く次の人々に渡してゆけるとの想いからでもありました。

このことは、そのまま他のアジアの国々や、世界のどの国においてもまた同じ事が言えるように思うのです。

上田義彦

 

STORY

かつて夫と語り合い、子供たちを育てた家に、今は孫娘の渚と住む絹子。夫の四十九日を終えたばかりの春の朝、世話していた金魚が死に、椿の花でその体を包み込み土に還した。命あるものはやがて朽ちる。家や庭で起こる些細な出来事、過去の記憶に想いを馳せ慈しむ日々の中、ある日絹子へ一本の電話がかかってくる――。


 

映画『椿の庭』

4月9日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

富司純子 沈 恩敬(シム・ウンギョン)/田辺誠一 清水綋治/内田淳子 北浦 愛 三浦透子 宇野祥平 松澤 匠 不破万作/張 震(チャン・チェン)(特別出演)/鈴木京香
監督・脚本・撮影:上田義彦
製作:ギークピクチュアズ/yoshihiko ueda films/ユマニテ/朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:ギークサイト
2020年/日本/128分/5.1ch/アメリカンビスタ/カラー

公式ウェブサイト:http://bitters.co.jp/tsubaki/

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