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吉田鋼太郎 演出&主演・藤原竜也 舞台『アテネのタイモン』開幕!

蜷川幸雄氏が、1998年からシェイクスピア全37作品の上演を目指して始めた彩の国シェイクスピア・シリーズの第33弾『アテネのタイモン』の最終通し稽古が12月14日(木)にさいたま芸術劇場 大ホールで行われた。

『アテネのタイモン』タイモン役(左):吉田鋼太郎、アペマンタス役(右):藤原竜也、撮影:渡部孝弘

蜷川氏がやり残した作品は『アテネのタイモン』『ジョン王』『ヘンリー五世』『ヘンリー八世』『終わりよければすべてよし』の5作品。今後、同シリーズの2代目芸術監督に就任した吉田鋼太郎が、残りの5作を演出することに。今回は、その第一作となる。

休憩込みで2時間50分の舞台のうち、吉田鋼太郎はほぼ舞台に出ずっぱり。前半はアテネで豪華絢爛な暮らしをする大富豪を演じ、後半は打って変わって、森の洞窟で暮らす世捨て人を演じる。

前半の見どころは終盤、友人に裏切られたタイモン(吉田鋼太郎)が、復讐のために友人たちを食事に招き、テーブルをひっくり返すなどの大暴れをするシーン。半狂乱のタイモンに友人たちは恐れおののき、逃げ回る。後半の見どころは、タイモン(吉田鋼太郎)とアペマンタス(藤原竜也)が15分間にわたり、舞台上に2人きりで互いに罵り合うシーン。

日本を代表するシェイクスピア俳優の真っ向から対決する。

吉田鋼太郎コメント
蜷川さんのライフワークだった彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督を引き継ぐことは責任重大で、大きなプレッシャーはありますが、藤原竜也、横田栄司など、蜷川さんの意思を継ぐ俳優と共に、全身全霊で稽古をしてきました。素晴らしい作品になっていますので、ぜひ劇場に足を運んでください。
蜷川さんの晩年、稽古場で蜷川さんが酸素ボンベをつけながら、最後の力を振り絞って稽古をつけてくださった姿が、今も頭から離れません。晩年、蜷川さんは「言葉」をもっとも大切にしていらしたので、それを引き継いでいきたいです。蜷川さんは、自分にとって恩師でもありますが、最終的にはお父さんだと思っています。亡くなられて、本当に残念です。
シェイクスピア作品の主役をつとめることは、数ある芝居のなかでももっとも大変なことです。主役を演じるだけでも十分大変なのですが、今回は演出もやらなければいけない。
泣き言は言わずに頑張らねばなりませんが、本当に大変は大変です(笑)。
藤原竜也と演出家として相対するのは今回が初めてです。稽古初日から、彼が稽古場に持ってくるやる気とパワーに圧倒されました。改めて、彼は本当に素晴らしい俳優だと感じています。

藤原竜也コメント
吉田鋼太郎さんの演出は、蜷川さんの意思を見事に継いでいて本当に素晴らしいです。蜷川さんはきっと「鋼太郎、ありがとう」って言ってくれると思います。僕は今回、鋼太郎さん演じるタイモンに噛み付いていく役ですが、普段から多くの先輩方に失礼なことばかりしているので、僕の性格に合っている役かもしれません(笑)鋼太郎さんとの間に、深いものを醸し出せればいいと思います。蜷川さんのためにも、とにかく吉田鋼太郎さんを支えて、一生懸命やるだけです。感動的な舞台になっていますので、多くのお客様に観ていただければと思います。

 

あらすじ

アテネの貴族タイモン(吉田鋼太郎)は執事フレヴィアス(横田栄司)の助言、哲学者アペマンタス(藤原竜也)の皮肉を無視し、誰にも気前よく金品を与え、ついに破産。友人たちが自分の金目当てだったことが分かり、すっかり人間不信に陥る。森に引きこもるタイモンは、復讐のためにアテネを滅ぼそうと蜂起した武将アルシバイアティーズ(柿澤勇人)に掘り当てた金を与えるが・・・。


 

公演概要

彩の国シェイクスピア・シリーズの第33弾『アテネのタイモン』

作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:吉田鋼太郎
日程:2017年12月15日(金)~12月29日(金)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
出演:吉田鋼太郎、藤原竜也、柿澤勇人、横田栄司、大石継太、間宮啓行、谷田歩、河内大和、他
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会