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舞台『ムサシ』初日開幕!

演出家・故蜷川幸雄氏が手掛けた傑作のひとつで、劇作家・故井上ひさし氏書き下ろしの舞台『ムサシ』が、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて開幕した。

舞台『ムサシ』舞台写真
(左より)溝端淳平、藤原竜也

演出家・故蜷川幸雄氏が手掛けた傑作のひとつで、劇作家・故井上ひさし氏が書き下ろした舞台『ムサシ』。今回、オリジナル演出の蜷川に加えて、「演出」に名を連ねるのは吉田鋼太郎。本作はもちろんのこと、数多くの蜷川作品に参加し、2016年には彩の国さいたまシェイクスピア・シリーズの芸術監督のバトンも受けている。

初演から一貫して宮本武蔵を演じるのは藤原竜也。井上ひさし氏が藤原をイメージしながら書き上げたこの当たり役を、確立した演技で座長として作品をリードします。藤原の武蔵に真っ向勝負を挑む佐々木小次郎役には、近年益々舞台での活躍を魅せる溝端淳平。加えて、第28回読売演劇賞で大賞と最優秀女優賞を受賞した鈴木杏や、舞台や映像で揺るぎない存在感を放ち続ける白石加代子、シェイクスピアから現代劇まで多くの作品に出演する塚本幸男ら、蜷川作品を彩ってきた超豪華キャストが再集結した。

演出/柳生宗矩 役:吉田鋼太郎 コメント
『ムサシ』、回を重ねておりますが、更にパワーアップし強く、深く、繊細になっていると思います。
出演者一同、初演からのメンバーは体にこの作品が叩き込まれておりますので、叩き込まれたことと、今回新たに発見したこと、その2つをプラスして、更に井上先生の深い世界、蜷川幸雄演出のダイナミックな部分、そして細やかな部分すべてが際立つような仕上がりになってます。
初めてご覧になる方も、何度も観ていらっしゃる方も、またまた楽しめますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。素晴らしい作品です。

宮本武蔵 役:藤原竜也 コメント
井上先生と蜷川さんの想いの詰まった『ムサシ』は、初演から12年に渡り世界各地の劇場で、たくさんのお客様にお届けする機会に恵まれてきました。
コロナ禍という大変な状況の中でも、この作品をより良いものに出来るように、チーム一丸となって稽古を重ねてきました。劇場で芝居を観るという喜びをお客様と共有できるように、ひたすらに頑張ります。

佐々木小次郎 役:溝端淳平 コメント
僕個人としては3度目の参加となりますが、また一から小次郎と向き合う中で改めてこの戯曲の崇高さを感じています。同時に老若男女問わずクスッと笑える優しさと、命の尊さを力強く伝えてくれる『ムサシ』はまさに今やるべき戯曲であると思います。井上さんと蜷川さんが残して下さった世界にまた自分が挑戦させてもらえる喜びと、この状況下で板の上に立たせてもらえる有り難みを噛み締めながら、ひとつひとつ丁寧に小次郎という役を生きていきたいと思います。

筆屋乙女 役:鈴木杏 コメント
振り返れば、人生の3分の1の期間に渡り『ムサシ』に関わっている事になるのだなと気がつきました。
こんなに何回も再演できる作品は中々ないですし、今回で最後かもしれないという思いで、1公演1公演大切に舞台の上に立ち、井上先生の言葉を紡いでいきたいと思います。
頑張ります。

沢庵宗彭 役:塚本幸男 コメント
幸せなことに、これまで『ムサシ』には全公演出演させていただいていますが、この度、初めて沢庵和尚を演らせていただきます。
どんな和尚になるのか、とにかく頑張ります。
『ムサシ』ほど、おもしろい作品はなかなか無いと思っております。
今もまさに地球上で起こっている、恨みの連鎖を断ち切る!!
ぜひ劇場でお楽しみください。お待ちしております。

木屋まい 役:白石加代子 コメント
幾度も再演を繰り返す中で、『ムサシ』ほど思い出の多い作品は他にないといっても過言ではありません。国内はもとより海外公演でいただいた盛大な拍手喝采が物語るように、全人類の課題が敷かれたこの作品のテーマは世界にも通じました。グローバルな思想が貫かれた世界観を楽しんでいただきたいです。

(撮影:田中亜紀)

 

あらすじ

慶長17年(1612)陰暦4月13日正午。
豊前国(ぶぜんのくに)小倉沖の舟島(ふな)。真昼の太陽が照り付けるなか、宮本武蔵(藤原竜也)と佐々木小次郎(溝端淳平)が、たがいにきびしく睨みあっている。小次郎は愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声をあげる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点に達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「巌流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして……物語はここから始まる。
舟島の決闘から6年後の、元和4年(1618)夏。鎌倉は佐助ヶ谷(さすけがやつ)、源氏山宝蓮寺。名もなき小さなこの寺で、いままさに寺開きの参籠禅がとり行なわれようとしていた。大徳寺の長老・沢庵宗彭(塚本幸男)を導師に迎え、能狂い柳生宗矩(吉田鋼太郎)、寺の大檀那である木屋まい(白石加代子)と筆屋乙女(鈴木杏)、そして寺の作事を務めたあの宮本武蔵も参加している。
ところがそこへ、小次郎があらわれた。舟島でかろうじて一命をとりとめた小次郎は、武蔵憎しの一念で武蔵のゆくへを追いかけて、ここ宝蓮寺でついに宿敵をとらえたのだ。今度こそは「五分と五分」で決着をつけよと、小次郎は武蔵に「果し合い状」をつきつける。
こうして、世に並ぶ者なき二大剣客、宮本武蔵と佐々木小次郎の、命をかけた再対決が、「三日後の朝」と約束されるのだが………。

 

公演概要

舞台『ムサシ』

『ムサシ』

[スタッフ]
作:井上ひさし(吉川英治『宮本武蔵』より)
オリジナル演出:蜷川幸雄
演出:吉田鋼太郎
音楽:宮川彬良

美術:中越 司
照明:勝柴次朗
衣裳:小峰リリー
音響:井上正弘
かつら:秋庭優一
殺陣:國井正廣・栗原直樹
振付:広崎うらん・花柳寿楽
能指導:本田芳樹
狂言指導:野村萬斎
演出助手:井上尊晶
舞台監督:今野健一
技術監督:小林清隆

[キャスト]
藤原竜也
溝端淳平
鈴木杏
塚本幸男
吉田鋼太郎
白石加代子

大石継太
飯田邦博
井面猛志
堀源起*
齋藤慎平
*さいたまネクスト・シアター

[埼玉公演]
期間:2021年8月25日(水)~8月29日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ

[東京公演]
期間:2021年9月2日(木)~9月26日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
主催:ホリプロ

[大阪公演]
期間:2021年9月30日(木)~10月10日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ

[北九州公演]
期間:2021年10月15日(金)~17日(日)
会場:北九州芸術劇場 大ホール
主催 RKB毎日放送/インプレサリオ
提携 北九州芸術劇場

[浜松公演]
期間:2021年10月22日(金)~10月24日(日)
会場:浜松市浜北文化センター
主催:静岡朝日テレビ/公益財団法人浜松市文化振興財団/K-mix
後援:中日新聞東海本社

特別協賛:株式会社Sky
協力:ニナガワカンパニー

[URL]
公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/musashi2021/
公式Twitter:@musashi_kenzan