地域
『バラバラな世界で共に生きる 共在の実践』展
6月7日 @ 15:00 - 7月3日 @ 23:59

哲学者・朱喜哲、初の新書『バラバラな世界で共に生きる』刊行を記念し、銭湯「電気湯」にて生活空間における『共に生きる』実践を集めた展示を開催します。
入浴という、ごくプライベートな行為をする生活空間でありながら、地縁による独自のコミュニティを形成し維持し続けてきた公衆浴場(銭湯)は、昨今ではサードプレイス的なジャンルで若者にも広く再評価され親しまれています。その結果として「銭湯的ジェントリフィケーション」という言葉が流布されているように、生活よりも開発・観光的な側面が強くなり、日陰だったはずの空間が、日向に押し出されているような感覚も否定できません。
一方で、地域コミュニティが力強く残っている銭湯たちを覗いてみると、入浴する方々はみな、脱衣場で「公」を脱いで「私」となり、神聖な場所としての浴室で「差異化/同質化」の間を行き来しながら、「バラバラな世界で共に生きる」ことの実践を積み重ねているように見えます。
共在の作法が忘れ去られてしまった現代において、100年続く銭湯「電気湯」を舞台に、共在の作法を実際に体験していただきながら、書籍『バラバラな世界で共に生きる』を追体験できるような展示を開催します。
本展示は、かつて育まれた共在の作法が忘れ去られてしまったようにも感じる現代において、100年続く銭湯・電気湯を舞台に、書籍『バラバラな世界で共に生きる』を空間的に再構成する試みです。展示では、書籍本文から引用された断片的なテキストと銭湯という実践の場から派生することばが、脱衣場や浴室、待合室といった銭湯内の各エリアにタイポグラフィーとして配置されます。ことばは「読むもの」としてだけではなく、身体を移動させながら偶然に視界へ入り込み、他者の存在や空間の気配と重なり合うものとして立ち現れるでしょう。
第一部「バラバラな私たちを理解する」は、「公私の不一致」をテーマに、服を脱ぐこと/着ることのあいだにある空間・脱衣場にて展示します。第二部「バラバラな世界を直視する」では、同じように見えてお互いに異なる身体、そして同じ「入浴」という行為の中の多様さを感じられる浴室にて展示します。第三部「バラバラなまま共に生きる」では、本展示を経て、皆さんご自身でまちに出て「バラバラなまま共に生きる」ためのさまざまな表現・技術・手法を見つけていたけたらと思います。
また、本展示と連動して、電気湯の系列店、書店kamosでは、本書に関連する原画展示もご覧いただけます。