ディオール、東京でのメンズ プレフォール ショー 2019を開催!
キム・ジョーンズによる初のプレフォール コレクション ファッションショーが11月30日(金)に東京・テレコムセンターにて開催。デビッド・ベッカム、ケイト・モス、ベラ・ハディッドなどが来日、日本からは登坂広臣、窪塚洋介、三浦翔平、岡田健史、吉沢亮、ケンブリッジ飛鳥など豪華な顔ぶれが揃いました。
新たなる展望。伝統を重んじながら絶えず未来に目を向ける、現代の日本のパラドックスは、21世紀におけるオートクチュール メゾンのアイデンティティと、創業以来、相互作用を果たしてきた伝統への畏敬と変革を映し出します。日本は、ディオール メンズ アーティスティック ディレクター、キム・ジョーンズによる2シーズン目となる2019 プレフォール コレクション ショーを開催するのにふさわしい地であると言えます。
ディオールと日本との長く豊かな歴史。クリスチャン・ディオールはこの国に魅せられて、日本の衣装文化を分析し、それを自らのクリエイションのインスピレーション源としました。彼のオートクチュール コレクションは、アジア全般に影響を受けたものが多く、その中でも日本はとりわけ顕著でした。着物の帯のようにドレープを付け結ばれた幅広のサッシュベルト、交差させることで身体を包み込むウェア、シームレスの滑らかなショルダーライン、着物のようなドレープ。いずれも伝統的な日本の衣類から導き出された繊細な表現で、クリスチャン・ディオールのコレクションでは繰り返し採用されてきました。
色褪せないディオール スタイルに加えて、キム・ジョーンズはさらに今日の日本文化のハイパーモダンなリアリティを導き出します。日本の歴史的神話ではなくモダンな現実を探求し、この国の名高い歴史も、しばしば思い描かれる未来も参照しました。このコレクションは伝統と今の共生であり、クチュールの手法と最先端のテクノロジーを融合させることで斬新なハイブリッドを生み出します。
テーラリングは効率良く実用化され、ユニフォームのアイデアを採用しながら決して画一的になることはありません。ディオールらしい3つの要素-千鳥格子のツイード、ピンク色、パンテール プリント-は巧みにアレンジされ、再発見されています。パンテールは水彩調に、千鳥格子のツイードは特殊織りでアンティーク調の着古された風合いになり、想像上のヘリテージを想起させます。ディオールを象徴するバラは日本の桜を想わせるピンク色で、コレクション全体を貫くディオール カラーのパールグレーと調和しています。
キム・ジョーンズは今回も、クリスチャン・ディオール自身の生活からインスピレーションを導き出そうと探求し、オートクチュールの不朽の魅力に親近感をもたらしました。ムッシュ ディオールが着用していた日本製シルクのネクタイは、クローバーの花の抽象パターンで新しいプリントの構造を作りました。メゾンのアイデンティティに不可欠なオートクチュールのサヴォワールフェールはファーとレースを魅惑的に重ねる手法として取り入れられ、ディオール メンズの“タイユール オブリーク”の対角線はアレンジされて、新たにコートとニットウェアに採用。ムッシュ ディオールのデザインのように、このコレクションは西洋の伝統的なテーラリングと身体を布で官能的に包む日本の着物との対話を探ります。
伝統と最先端の融合。ファブリックは技術的に優れたメタライズ技術で加工され、これをウェアの全アイテムに採用しました。これによりファーとレザーはまるでロボットのようにイリディセント ブルーとシルバーの微かな光を放ち、メタリック プリントを施したカーフスキンはレーザーエッチングでシルクのようななめらかさに。そしてカナージュ パターンはラバーとレザーにレーザーカットで施され、デニムにもあしらわれました。
アクセサリーは“カワイイ”イメージのサイズをもてあそぶように、縮小あるいは拡大され、セカンド ポシェットがチャームのようにあしらわれました。また、2002年に発表されたディオール「ストリート シック」アクセサリーシリーズより、バッグに取り外し可能な外ポケットのコンポーネントを復活させました。スタイリッシュさと実用性、機能性を兼ね備え、たゆまぬ革新とカスタマイズを可能にしています。これは他のアプロ-チにも影響を与え、キム・ジョーンズのアレンジによるバラエティ豊かなメンズの「サドル」バッグは幾通りにも楽しめるデザインに。これらのアクセサリーは、ナイロン、レザー、そしてメゾンを象徴する「ディオール オブリーク」キャンバスが組み合わせられています。シューズはバキューム フォルムでモダンに、チップはラバー製で、ウェアと同じく革新的なメタライズ加工が施されています。そしてフォーマルシューズとコンバットブーツには、スニーカーのハイパフォーマンスな力強さが備わりました。
1920年代にギャラリストとして働いていたクリスチャン・ディオールのキャリアから着想を得て、キム・ジョーンズはメゾンと日本の文化的背景と本質的な結び付きのある新たな境界線を切り拓くアーティストとのコラボレーションを監修。ショーで発表するピースのセレクションは、日本の現代アーティスト、空山 基と共同制作されました。
空山の作品は舞台装飾にも。センターピースは理想化された巨大な女性フィギュア。ムッシュ ディオールが常に称賛し、神格化した女性のフォルムと呼応します。彼のアートワークは、象徴的な未来派オーガニックロボの女性型アンドロイドと日本から着想を得た葉飾りをフィーチャーしているのが特徴であり、まるで新感覚のエンブロイダリーレースの土台として、一連のセパレーツをシルバーのマイラー樹脂で装飾されています。アクセサリーコレクションは彼の心の中にイメージされた「ディオール オブリーク」キャンバスをインクのようなミッドナイトブルーと“サクラ”ピンクのコントラストカラーで組み合わせました。空山はディオールのロゴもアレンジ。2 つのシグネチャーが出会い、彼のヒューマノイドと動物のロボットはチャームとペンダントとして登場します。
コラボレーション以外でも、空山作品の楽観主義的な未来志向はコレクション全体にその表現方法やアプローチ、クリエイティビティの面でインスピレーションを与えています。アンドロイドの艶はグロスとラメのファブリック、さらに金属で表現。ジュエリーの卓越性もおのずと高められています:Yoon のデザインによる頑丈で工業用品のようなチェーンはナットやボルトによりロボットと呼応。アレンジしたディオールのロゴは、ネックレス、リング、ブローチへと姿を変えます。スティーブン・ジョーンズが手がけたスティール製のきらめくキャップや、全面ポリッシュ仕上げのメタルで新たにアレンジされたディオールを象徴する「サドル」バッグなど、メタライズ加工の最たる例はジュエリーとウェアの境界を曖昧にします。限定エディションのコレクターズアイテムは、マスキュリンなミノディエール。まさに芸術品としてのファッションです。
ショーにはデビッド・ベッカム、ケイト・モス、ベラ・ハディッドなどが来日し、日本からは登坂広臣、窪塚洋介、三浦翔平、岡田 健史、吉沢亮、ケンブリッジ飛鳥など豪華な顔ぶれが揃いました。
Photo : GETTY IMAGES FOR DIOR