『そこにきみはいて』福地桃子、寛一郎、中川龍太郎、竹馬靖具監督が登壇!監督「(二人のやりとりに)奇跡が起こっているような感覚」
映画『きみにそこはいて』の完成披露試写会が11月10日(月)に都内で開催され、福地桃子、寛一郎、本作の原案であり、俳優としても参加している中川龍太郎、竹馬靖具監督が揃い舞台挨拶に登壇しました。

©「そこにきみはいて」製作委員会
主人公の香里を演じた福地は、これから映画を見る観客を前に「信頼できる大切な人たちと、じっくり流れる時間の中で丁寧に時を過ごした大切な作品です。どういうふうに受け取ってもらえるのか?緊張もありながら、楽しみにしています」と挨拶。

そして、寛一郎は本作への参加について、運命めいたものを感じているよう。「みなさんに知ってほしいことあります」と前置きし「最初に台本と企画書をもらうわけですけど、そこに竹馬さんの名前があって、僕は竹馬さんのことは認識していました。というのも、デビュー作でご一緒したある方が、竹馬さんの作品の主演をやられていて、ことあるごとにその方から『竹馬はやべぇぞ。ヤバいやつなんだよ』と聞かされていました(笑)。主演の福地さんとは初めてだったんですが、共通の知人がいて『桃ちゃん
はすごく良い子なんだよ』と聞かされていました。それから、中川龍太郎が役者で出ると聞いて、実は僕が20歳くらい、デビューしてすぐに中川さんが『飯行こう』と言ってくれて、そこで『俺ら若いので映画撮ろうよ』、『やりましょう!』と言っていたんですが、結局できずに6〜7年を経て今回、中川さんが役者として出ると聞いて『やるしかないじゃん、俺!』と思いました」と熱い思いを吐露。そして、物語に関しては「読んでみたら、(中川さんが)当時『やろう』と言ってくれていた『走れ、絶望に追いつかれない速さで』を思い出して、自分の中で『うわっ!点と点がつながった』という感じがありました」と明かした。

中川は、こうした経緯を経て、竹馬監督に企画を託して、自身は俳優として参加し、完成した本作について「自分が着想したけど、竹馬さんにやっていただいてよかったんじゃないかと思いました。僕はいま、35歳ですが、いまの自分にはこの映画はきっと撮れなかったと思ったし、そんな中で竹馬さんにこういう形で仕上げていただき、福地さんも、寛一郎も僕にとって、大切な俳優さんなんですが、その人たちをこういうふうに演出してくれて、それがよかったです。改めて素晴らしい仲間とつくれたと思い
ました」と感慨深げ。
中川は、自身も監督として活躍しているが、改めて、自らの原案・企画を託した竹馬監督について「僕が演じた(健流の親友である)慎吾という役は、僕であり竹馬さんでもあると思います。それが混ざるというのが、この仕事の素晴らしさだと思いますし、二人でひとつの役をつくれたことは、通常の人生ではなかなか体験できないし、その後の僕の演出も大きく変えました。本当に感謝していますし、尊敬しています」とストレートに思いを伝えた。

福地は、初共演となった寛一郎について「すごくよく覚えているのが、(寛一郎さんと)同じシーンではなかった時に、すごく寛一郎くんの存在がワーッと来たことがありました。寛一郎くんのすごく大切なシーンの撮影があった時に、竹馬さんを通して『すごく良い時間が流れていた』という言葉を聞いて、そこにはちゃんとその場の温度が乗っていたように感じられて、(胸に手を当てながら)このへんがワーッと熱くなりました。それは寛一郎くんが私に与えてくれたものでした。竹馬さんが(寛一郎さんの様
子について)伝えてくれる言葉のひとつひとつが毎日、背中を押してくれていたように感じています」と一緒の現場にいない時も寛一郎の存在を感じていたとふり返る。
一方の寛一郎は、福地について「悪口じゃなく(笑)、これまで演じてきた役がそうだったのか、良い意味で“田舎娘”感のあるイメージだったんですけど(笑)、実際に会ってみたらすごく艶っぽく、色っぽいイメージでした。ひとつひとつの言葉を考えて紡いでいくところが素敵だなと思いました」とその魅力を語る。
この2人のやりとりを現場で目撃した竹馬監督は「奇跡が起こっているような感じがしました。それを発見して、映像に収めていくのが監督だと思うんですけど、龍太郎も含めてですが、(俳優陣の演技によって)奇跡みたいなものが起こることに興奮し、感動しちゃいました。自分でイメージした脚本で、演出もして、俳優さんがそこでキャラクターに命を与えると、それが真実の演技なのか…、みんなの演技を見て、感動して震えていました」と惜しみない称賛の言葉を口にした。
そして、タイトルの『そこにきみはいて』にちなんで、寒くなってきたこの時期に《そこにいてほしい存在・そこにあってほしいもの》を問われると中川は、「寂しい時こそ、映画館じゃないですか。この時期って少し寂しく感じるじゃないですか。一つの光を大勢で観るっていう体験は、寂しさとセットだと思うから」と回答すると、観客から拍手が起こった。

舞台挨拶の最後に、竹馬監督は日本で初めて本作を鑑賞する観客に向け「この映画が完成して1年半くらい、撮影は2年前なんですが、お客さんに見られて映画は完成するものだと思っています。とても静かな映画ではあると思うんですけど、僕はこれが5本目の映画で、これが代表作だと思っています。中川龍太郎に感謝したいし、福地さん、寛一郎さん、そしてここにいないスタッフにも感謝したいと思います」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
海沿いの街を旅する香里(福地桃子)と健流(寛一郎)は、恋人というより、どこか家族のようだった。だが入籍が近づいたある日突然、健流は自ら命を絶つ。お互いにとって一番の理解者だと信じていた香里はショックを受け、健流と出会う以前のように他人へ心を閉ざす。そんな中、香里は健流の親友であったという作家・中野慎吾(中川龍太郎)を思い出し、彼の元を訪ねる。健流の知らなかった一面を知るために、ふたりは街を巡りーーー。
作品情報

『そこにきみはいて』
11/28(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国順次公開
福地桃子
寛一郎 中川龍太郎
兒玉遥 遊屋慎太郎 緒形敦 長友郁真
川島鈴遥 諫早幸作 田中奈月 拾木健太 久藤今日子
朝倉あき/筒井真理子
脚本・監督:竹馬靖具
エグゼクティブ・プロデューサー:本間憲、河野正人
企画・プロデュース:菊地陽介
ラインプロデューサー:本田七海
原案:中川龍太郎
音楽:冥丁
撮影:大内泰
録音・整音:伊豆田廉明
美術:畠智哉
助監督:平波亘
ヘアメイク:藤原玲子
スタイリスト:石橋万里
制作担当:中島正志
音響効果:内田雅巳
編集:山崎梓
宣伝プロデューサー:伊藤敦子
宣伝美術:石井勇一(OTUA)
スチール:水津惣一郎
制作プロダクション:レプロエンタテインメント
宣伝:ミラクルヴォイス
配給:日活
公式HP:https://sokokimi.lespros.co.jp
公式X:@sokokimi_movie
公式Instagram:sokokimi_movie
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©「そこにきみはいて」製作委員会
