桐谷健太、倉科カナ、橋本良亮、蓮佛美沙子、村上正典監督が登壇!『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』完成披露試写会を開催
人間の心の暗部を描くイヤミスの名手のひとり・真梨幸子の原作を映像化した、WOWOW『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』(3月3日、日曜午後10:00スタート)。その第1話完成披露試写会が2月27日に都内で実施され、主演の桐谷健太、共演の倉科カナ、橋本良亮、蓮佛美沙子、そして村上正典監督が登壇しました。
出版社の編集者で新人作家の沙奈と一緒に「女子高生両親殺害事件」をモチーフにした小説の連載を進めていく橋本涼役の桐谷健太。すでに全話鑑賞したそうで「手前味噌になりますが…見応えが凄くあります。登場人物それぞれの黒い渦がぶつかり合って、見ている人にもその渦が広がると思います。色々な視点で見ることの出来る作品なので、全5話最後まで楽しんでください」と自信を持ってアピール。企画書の段階で「衝撃を受けた」といい「自分がこの橋本涼を生きたらどうなるのか?そこに興味が湧いて挑戦したいと思った。すぐにマネジャーに『やりたい!』と電話した。脚本も読み進めていく中で視点や真実も変わって来て、そこに刺激を受けました」とミステリアスな世界観にゾッコンだった。
事件の小説化を企画し、執筆にのめり込んでいくうちに“ある疑惑”を持たれ始める新人小説家・小椋沙奈を演じた倉科カナ。「エネルギーを使う役でしたが、小説で新人賞を取ったという力を誇示したい沙奈の気持ちも理解できたので、そんな気持ちと向き合いながらアプローチしていきました。でも思った以上にヘビーな役でした」と苦笑い。ただ桐谷とはかつて兄妹役で共にしていたこともあり「オフタイムは桐谷さんのことをお兄ちゃんと呼んでいて、二人でふざけ合っていました」と倉科が振り返ると、桐谷は「ね、妹!」と反応して倉科も「お兄ちゃん!」と嬉しそうに言葉のキャッチボールをしていた。
また倉科はドラマの内容にちなんで、俳優として「あの過去や出来事があったから今がある」エピソードを聞かれると、高校時代に4つのアルバイトを掛け持ちしていた苦労時代を明かし「あまりにも働きすぎてこのまま生きていてもつまらないと思い始めた。環境を変えるために上京して芸能界に挑戦しようと思った。あのギリギリの精神状態があったからこそ、今ここに立てている。バイトの日々に感謝です」としみじみと語った。
8年前に付き合っていた女子高生を洗脳し、その両親を殺害した罪で死刑囚となった大渕秀行を演じた橋本良亮。約13キロの減量で撮影に臨んだと言うが「撮影までの期間も短かったのでドキドキしましたが、13、4キロ落とすことが出来ました」と役者魂を見せつけた。演じた大渕秀は「欠点がないくらい綺麗な顔」という設定だが「正直、プレッシャーとの戦いでした。そういう風に言われるのも慣れていないので…」と橋本が謙遜すると、桐谷は「ミスター謙虚!」とすかさず褒め讃えていた。
そんな橋本も、俳優として「あの過去や出来事があったから今がある」エピソードを発表。A.B.C-Zのメンバーである橋本は、グループ加入時の話として「僕が加入した2週間後に横浜アリーナのライブがあると聞かされました。入ったばかりで曲もダンスもわからなかったので、1日で15曲を覚えました」と明かして「でもそれがあったからこそ、これが出来るなら後のことも絶対に出来ると思いながら毎日を過ごしていました」と活動の自信に繋がったという。
本作への出演&減量指示も急だったことから、桐谷が「毎回急やな!」とツッコむと、すかさず倉科は「マネジャーさんもそれが出来たからこそ、今回も急でいいと思ったのでは?」とフォロー。だが当の橋本は「もっと早めに言ってほしいですよ!」と笑い飛ばしながら訴えていた。
法廷画家として事件の主犯格とされる大渕秀行の裁判を傍聴したことがきっかけで大渕と獄中結婚した、大渕の妻・鈴木礼子役の蓮佛美沙子。鬼気迫る熱演を披露したが「礼子は育って来た境遇に辛いものを抱えて生きてきた女性。撮影前に礼子の人生を脳内再生する作業がすべて辛くて、それに食らいついていくのが大変でした」と難役ゆえの苦労も。そんな蓮佛は奇しくもこの日が33歳のバースデー。キャスト&観客からのサプライズ祝福に「と、鳥肌が…!こんなこと台本に書いていなかったので嬉しいです!」と笑顔を弾けさせていた。
一方、印象に残っているシーンについて聞かれた桐谷は、第5話で描かれる涼と大渕の対峙シーンを挙げて「その撮影が終わった時に、また手前味噌ですがスタッフの方々から『凄まじかった』と言ってもらえた。実際に完成した第5話のその場面を見たら、釘付けになりました。目が離せない力があって、プランなしに橋本を生きられたというのが形になっていて、自分に客観的に飛び込んでくる感じが良かった」と手応えを得ていた。最終話まで桐谷と橋本の熱演に目が離せない。
蓮佛は「死ねばいいのに!」と叫びながら絵をズタズタにする恐怖シーンを挙げて「撮影スケジュールを見たら、それが私のクランクアップシーン。死ねばいいのにクランクアップはさすがに辛い」と苦笑いも「でも当日になって急にスケジュールが変わって、死ねばいいのにシーンを先に撮って、最後がまさかの橋本さんとのイチャイチャシーンに。礼子は辛いシーンばかりだったので、最後がそのシーンで終われて私はホッとしたというか、思い出深いです」とスケジュール変更に気持ちを救われていたそう。
メガフォンを取った村上監督は「原作が面白いのでそれを映像化する過程は楽しいけれど、その反面難しいところもある。ダークな部分に引っ張られかねないので、心の闇の入り口のリアリティと共感性を作り出さなければいけない。でも俳優の皆さんが心の闇の入り口までの階段を降りていくところも背負って演じてくださったので、見応えのある共感の出来る作品になっていると思います。ネットが普及して情報が溢れている今、真実を歪めているところに自分も加担しているのではないかという怖さもあって、そんな現代に警鐘を鳴らすメッセージを込めることが出来ればと思いました」と狙いを明かしていた。
桐谷は登場人物一人ひとりが抱える闇を表現する過程を「心の闇の階段をどんどん下りていくような感覚」と表現。実力派キャスト一同が心血を注いで作り上げた衝撃のダーク・ミステリーに是非ご注目ください。
閑静な住宅街にある赤い屋根の家――。18年前、この家で開業医の両親を殺害し遺体を切り刻んだのは、実の娘の青田彩也子と、その恋人・大渕秀行(橋本良亮)だった。世間を震撼させたこの事件は、大渕が裁判中に「早すぎた自叙伝」を出版し、過去に女子児童に手を掛けたことを告白。裁判では彼に洗脳された彩也子が凶行に及んだとされ、主犯の秀行は死刑、彩也子には無期懲役が確定した。それから数年後。「早すぎた自叙伝」を担当した轟書房の編集者・橋本涼(桐谷健太)のもとに、新人作家・小椋沙奈(倉科カナ)から事件をモチーフにした小説の企画が持ち込まれる。橋本と沙奈の2人は小説の連載を実現すべく、大渕死刑囚と獄中結婚した大渕礼子(蓮佛美沙子)や、大渕のかつての愛人で元敏腕編集者・市川聖子(斉藤由貴)ら関係者たちの取材を始めていくうちに、黒い感情に引きずり込まれ……。その先には誰も知らない衝撃の真実が待ち受ける。
作品情報
連続ドラマW 坂の上の赤い屋根
2024年3月3日(日)スタート(全5話)
毎週日曜午後10:00放送・配信【第1話無料放送】
桐谷健太
倉科カナ 橋本良亮 床嶋佳子 工藤美桜 七五三掛龍也
西村元貴/宮崎美子 渡辺真起子 蓮佛美沙子 斉藤由貴
真梨幸子『坂の上の赤い屋根』(徳間文庫)
村上正典(『フジコ』第32回ATP賞テレビグランプリ 特別賞・非放送系コンテンツ部門)
吉川菜美(『連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』)
やまだ豊、南方裕里衣
村松亜樹(WOWOW) 、橋本芙美(共同テレビ) 、関本純一(共同テレビ)
共同テレビ
WOWOW