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フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展 有田泰而(ありたたいじ)「First Born」 ―家族と遊ぶ時間(とき)―
2024年5月23日 @ 10:00 - 2024年8月23日 @ 19:00
フジフイルム スクエア 写真歴史博物館では、写真家・画家として生きた有田泰而の代表作「First Born」シリーズを中心とする、稀代の家族写真を展示します。
広告写真家として活躍する傍ら、自らの美意識に忠実な創作に取り組んだ有田泰而。1960年代後半から70年代半ば、彼が当時の妻ジェシカと第一子コーエンを撮影した写真の数々は、普遍的な愛や安らぎにとどまらない、撮る側と撮られる側、双方の無邪気な遊び心に満ちあふれています。その一連の作品は、編集者山岸章二によって見いだされ、1973年から1974年、『カメラ毎日』誌上で「First Born」シリーズとして発表されます。同誌には、シリーズの前身と言える妊娠中のジェシカの写真、家族の後日の姿を収めた写真も掲載されました。しかし、その後それらの作品が発表されることは長らくありませんでした。
再び日の目を見るのは2012年、有田がアメリカで亡くなった翌年のことです。若き日に「First Born」シリーズに憧れて有田の門を叩き師事した写真家・上田義彦が、生前に有田が構想したノートをもとに、2か月近い格闘の末、印画紙に定着させました。30年の時を経た師弟の邂逅は、『カメラ毎日』誌上で発表された「幻の傑作」から新たにセレクトし75点を収めた写真集『First Born』と、同名の展覧会として結実します。
素の振る舞いと演出が混じる「遊戯」により、ポートレート、スナップ、パフォーマンスの要素が重なる有田泰而の家族写真。その瑞々しさと際立つ存在感は、「家族と遊ぶ時間(とき)」が有田、妻、子の自由の発露となっていたからかもしれません。
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