SS19 PAUL SMITH SHOW AT PARIS FASHION WEEK

今という時代にふさわしいテーラリングは、メンズとウィメンズ両方のコレクションに明確に示されます。80年代初頭にそれまで重く堅苦しかったテーラリングをよりソフトなものへと変化させた自身の経験から、ポールは再びスーツに新鮮な活気を与えます。大胆に誇張されたシェイプやシルエットはかつて流行したスタイルを彷彿とさせるものの、仕立てとスタイリングは現代的にアップデートされています。以前は重量500gであった伝統的なテーラリング生地は、スタイルはそのままに200gほどに軽量化されたウール素材に進化し、今の時代に求められている汎用性や快適さを追求しています。着やすさと機能性の追求はポール・スミスのデザイン精神に深く刻み込まれており、緩やかなシルエットやスポーツウェアのニュアンスはポールが幼少期より深く愛するサイクリングからヒントを得ています。明るく夢のような色彩のパレットは、スーツやレザートラウザーズ、アウターウェアなどに効果的に差し込まれます。

ウィメンズのテーラリングはメンズと同じカットや生地を数多く採用しているものの、ポール・スミスの描くフレッシュで力強いアティテュードの女性像が明確に表現されます。汎用性の高いテーラードセットアップに加え、手描きプリントが軽く実用性も兼ね備えた美しいシルエットのドレスやスカートの上を踊ります。チェッカーボード柄(市松模様)のソックスやインターシャニットは、レースのフィニッシュラインで振られるフラッグにインスピレーションを得ており、コレクションにポール・スミスらしいユーモアを加えます。

2019年春夏シーズンのコレクションにはまた、デザイナー初期の時代に考案したフォトグラフィックプリントを精度高く巧みに用いています。熱心な写真家であったポールの父ハロルドは、ポール自身の写真撮影への想いを刺激し続けました。ポールと父が撮りためた写真のアーカイブから選んだ作品はフォトグラフィックプリントとして使用され、メンズではアウターウェア、ウィメンズでは流れるようなシルエットのドレスやコートに絵画のように落としこまれています。

メンズシューズは、グッドイヤー・ウェルテッド製法で仕上げたローファーやチェルシーブーツなどの典型的な英国スタイルをフィーチャーしつつも、シューズのプロポーションやシェイプにひねりを加えデザインを誇張することで個性的に仕上げています。一方のウィメンズは、アンクルブーツがレースアップやスネークスキンで登場するほか、2色のレザーを編みチェッカーボード柄を表現したストラップシューズが同じデザインのハンドバッグとともにアクセントを加えています。

ショーではまた、イギリスを代表する老舗眼鏡ブランドの「カトラー アンド グロス」とコラボレートした新たなスペクタクルズコレクションが初披露されました(日本発売未定)。アイコニックなそのフレームには、ポール・スミスらしいカラーリングがほどこされています。

Styling by Max Pearmain
Hair by Anthony Turner
Make-Up by Lynsey Alexander and the M·A·C PRO team

Paul Smith 公式サイト
www.paulsmith.co.jp

Tokyo Now Author